家から出なくても 世界は繋がっている
僕が起きたのは昼下がり蒸した部屋の中

身を粉にしなくても この世界は生きていける
僕が選択したのは ヒエラルキーの最下層

「夢を見続けられるなら 眠り続ける事を選ぶ」
そういって魔女は凍りついた

ここにいるはずのない君に
在る筈のない理想を重ねて
世界が2進数で出来ていたら良かったのに
決して優しくない現実が
僕の心を蝕んでいって
どうしようもない僕はインスタントに君に恋をした

たった一度の人生で 自由を求めちゃいけないの
僕が崇拝するのは 少女の語る未完成のウタ

「壊れた歯車を修復している時間はないの」
そう言って女神は僕を見放した

ここに必要とされない僕に
変わることなく流れる生命
世界が16進数で理解できればいいのに
運命と割りきれたのなら
僕の心も救われるのかな
何かにすがるように僕はインスタントに君を愛すよ

「どうすればいいのかわからないまま」
「この夢が終わったら君は消えてしまうんだね」

ここにいる筈のない君に
在る筈のない幸せを願って
8ビットで進行する僕の鼓動にはリミットがあって

決している筈のない君に
在る筈のない理想を重ねて
世界が今日も僕を透過して流れてく
何度も何度も君を想うよ
この魔法が解けたそのあとは
また君にインスタントに恋をするよ