ごり押しでナイト

自称音楽家(SETUZITU)ワタクシ清野の活動情報や雑談,その他諸々晒していくぞのコーナー♪♪♪
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雨降の楯という創作グループ立ち上げました。 僕のお話「Synchronized」がオーディオドラマとなりました! こちらから是非ご覧下さい→http://ametate.cranky.jp

2014年05月

線路がある。すでに使用されていない廃線だ。レールは赤く錆びれ、ひしゃげているところもある。雑草がレールそのものを飲み込もうとしていた。所詮、ヒトが創造したモノなど自然の前では無力なのだ。かつて世界を飲み込み浄化した洪水のように、抗うすべなどなく、ただ逃げ、怯え、隠れる事だけしか我々には出来ないのだ。

「まーた難しいこと、考えてたっしょ??」

死んだ魚の様だとよく形容される僕の目が見つめる先に揺れる手が現れた。ついで、あきれてものも言えません、と暗示する声色で、彼女は僕に問う。

「…あー、いや…難しくはないと思うよ」

焦点のあった視界に、小柄な彼女の大きな瞳があった。肩の前で結わえた2本の黒く艶やかな髪の束が揺れる。
実年齢よりも若く見られて然るべき背格好である。強いてあげるのならば、その尊厳な態度くらいは年相応なのだろうか。

「君は自分に訪れている危機を少しは察するべきだよ。一体どこまで歩きゃ、この見飽きた木々鬱蒼と生い茂る森林から脱出できるんだい?」

僕の曖昧な解答に、彼女は更に嘆息を交えつつ続ける。

「はぁ…ホントに、君、死ぬかもしれないんだよ??こんな、なにもない森だか山だかわからないけど。頼みの綱の廃線も、きっと駅はずーっと先。何日も歩いてらんないよ?っというか、ワタシもう歩きたくない。おんぶ。」

「はは…じゃあ、ちょっとだけ、休憩しようか?」

柔らかい笑い声で流す。ずっと昔から今まで、駄々をこね始めた彼女からの唯一の回避手段。

何故、こんなところにいるのか。
そう、僕にはそれがわからない。
目の前にいる彼女がどうしてここにいるのかも。僕は、いったいどうして、こんななにもないところを、彼女と二人歩いているのだろう。それは、もしかすると彼女に聞けばわかるのかもしれないが、彼女を不安にさせないようにするためにも、ここは黙っていることにしていた。

「はぁ~??きゅ~け~い??」

明らかな不服を訴える対応で内心ドキドキしていたが、僕はなにか不味いことを言ったのだろうか。

「……賛成。そこの木陰に入りましょう。」

間違っていなかった。難しい人だ。


辺りはずっと向こうまで伸びる線路。それを囲む森林。幸いにして雲ひとつなく、雨が降る恐れはなさそうだ。お尻が汚れることも気にせずに、僕らは枯れ木に並んで腰掛けた。

ふぅっと、息を吐いたタイミングが同時で、顔を見合わせ僕は笑顔、君は怪訝そうな顔をする。一本道を吹く風は心地よく木々を揺らし僕らを涼ませる。僕らはそれからしばらくボーッと過ごした。何処か懐かしさを感じながら。

「…もしさ、この先に何もなかったらどーするよ?」

不意に、彼女が問う。んー、そうだねぇー。少し考える。何もないなんて事がありえるのだろうか。陸が途切れている。これならばわかる。がしかし、ここは線路の上。海底トンネルを廃線にした話を聞いたことはないので、遠かれ近かれ何処かにつくだろう。その可能性を考える必要はないのではないか。いや、そういうことでなく、「誰もいなかったら」という意味だろうか。廃線のホーム付近が栄えているとは到底思えない。とすれば、ホームを見つけても、助かるとは限らないが……

「だぁああああもう!!なっがいんだよ!!君にこんな質問を問うたワタシの落ち度だよもう!!」

突然叫び声をあげた彼女の声に、思考の海から浮き上がる。君を見ると、少し顔を紅潮させ、ぜぇぜぇと肩で息をしていた。とても大袈裟だ。が、それが彼女らしいとも思った。

やがて、呼吸が落ち着いた頃、彼女が口を開く。

「……そうじゃなくってさ、あぁ、言わなくていいよ。どうせ君が今峻巡していたのは、廃線とはいえ、レールのある先が途切れているというのは、天変地異でもなければありえないのだけれど、ここが日本ならばそんなことはなかったよなぁ、くらいのことでしょ??」

お見事。85点の解答だ。

「ワタシが聞きたかったのは……うーん、そうだぁねぇ…。そう!もしもこのまま、世界に二人で生きていくことになったとしたら、どうしようか?って話。あぁ、例えばだからね!?」

念押しする彼女の言葉を聞いてから、うーんそーだなぁ、とまた暫し考え込む。

二人で…となると、もうすでに生きることが困難な状況だろう。そういえば、現在の地球は過去の周期を鑑みると丁度氷河期になる頃合いだそうだ。それがそうならず、気温が上がっていっているのは温暖化現象と太陽の寿命が関係あるそうだが、その辺りを危惧…はしていないだろう。もっとシンプルに。ふむ、単純に、二人だけになってしまった時に……


「だぁああああかぁああああらぁああ!!なげーーってんだよもぅ!!」

「ぐっふ!!??」

叫び声と鋭いボディを喰らう。不意打ち過ぎて奇妙な声が口から飛び出た。

ザッと立ち上がり、僕の前に彼女が仁王立ちする。小柄で幼い背格好の彼女には、とても不似合いだ。

バッと威勢良く、彼女は僕を指差し、見下した。心なし…いや、耳までガッツリだ。赤く染まっていた。珍しいものを見た。若干、おいてけぼりではあるが。

「そ、そ、その…っ!!あぁああ、あたしをっ!!ひっ、ひ、一人にしないでねって、いいいってんのよ!!理解したっ!?理解しなさい!!今すぐにっ!!!」

「あ、あぁ……勿論だよ。まかせて。」

良くわからないが、もしかしたら心細いのかも知れない。先の見えない恐怖もあるだろう。僕はそこまで考えていなかった。様々な可能性を考慮し、彼女を気づかい行動していたはずが、そんな簡単な思考さえも、見落としてしまっていたのだ。

僕は立ち上がり、彼女の手を両手で包む。

「な、なんだい突然。」

お互い様だろう。それは。口には出さないが。

「二人でいこう。二人でいれば、きっと平気だよ。大丈夫。」




大きく息を吸い込んで、彼女は硬直し動かなくなった。

いったい彼女はどうしたのだろう。

変わらない景色の中、とうとう動くものは僕だけになったのだった。


~おしまい~


風に吹かれて 流れてく景色の中
真夏日みたいな快晴 頬を伝う汗を拭って
ずっと君のこと探してた

雲は形を変え 僕みたいに移り気で
自転車止め自販機で 値上がりした缶ジュース買って
何処にもいないんだな

変わりたいと願った今日を あといくつ重ねたら
大人になれるのだろう そうするうちに僕は

ずっと気付かなった 当たり前の日常が
触れられなくなって 近づけなくなって
漸く僕はなくしたことに気付いたんだ
きっと忘れてしまった たくさんの思い出を
ひとつひとつまた探すんだ
例え戻れなくても

見慣れない風景 街でさえ姿を変えるのに
変わらないものなんて 世界にどれだけあるのだろう
僕は何になるのだろう

明日こそと祈った今日を あといくつ過ごしたら
僕は幸せになるのだろう 気が付けば今日も

やっと思い出した ありふれた日常を
腕に抱え込んでいたら またなくしてしまうから
鞄の中にそっとしまうことにして
これからも変わらず 流れていく毎日を
ひとつひとつ大切にしたいんだ
もう振り返らないように

有刺鉄線で区画されたこの境界線
1度でいい触れてみたいだけなのに

鏡に映った醜い姿に一人苛ついて
誰かと一緒ならどれだけよかったろう

全然いいことなくたって
知らない誰か死んだって
心がもう揺れたりしないんだ

そうやってまた、僕を離れていくんだね
君の名前ももう思い出せないけど
いつかきっとと彩られた明日を夢見て
無機質な毎日を生きてます
ごらん、今日も世界が終わってく
みてよ、今日も世界は輝いて

有刺鉄線が体に食い込んで
だんだん身動きひとつとれなくなってきた

君の張り裂けそうな笑顔に苛ついて
違いがわからないまま傷付いて

もう祈ったりしないよ

広大無辺に広がる明日を呪いながら
今日も大事な何かを無くして生きてる
正しく生きていれば仲間にいれてくれるの?
何をしてあげれば認めてくれるの?

きっと誰かが僕を見てくれて
きっと誰かが僕を愛してくれるでしょう
いつになったら満たされるのだろう
いつになったら君のそばにいけるの

そうやって僕を見て見ぬふりするんだね
幸せさがすのも、もう疲れたよ

家から出なくても 世界は繋がっている
僕が起きたのは昼下がり蒸した部屋の中

身を粉にしなくても この世界は生きていける
僕が選択したのは ヒエラルキーの最下層

「夢を見続けられるなら 眠り続ける事を選ぶ」
そういって魔女は凍りついた

ここにいるはずのない君に
在る筈のない理想を重ねて
世界が2進数で出来ていたら良かったのに
決して優しくない現実が
僕の心を蝕んでいって
どうしようもない僕はインスタントに君に恋をした

たった一度の人生で 自由を求めちゃいけないの
僕が崇拝するのは 少女の語る未完成のウタ

「壊れた歯車を修復している時間はないの」
そう言って女神は僕を見放した

ここに必要とされない僕に
変わることなく流れる生命
世界が16進数で理解できればいいのに
運命と割りきれたのなら
僕の心も救われるのかな
何かにすがるように僕はインスタントに君を愛すよ

「どうすればいいのかわからないまま」
「この夢が終わったら君は消えてしまうんだね」

ここにいる筈のない君に
在る筈のない幸せを願って
8ビットで進行する僕の鼓動にはリミットがあって

決している筈のない君に
在る筈のない理想を重ねて
世界が今日も僕を透過して流れてく
何度も何度も君を想うよ
この魔法が解けたそのあとは
また君にインスタントに恋をするよ

あまりにも現実が辛すぎて
あいつも どいつも 皆夢を見るの止めて
今まで一度も上手くいったことないから
叩けば壊れる壁を 迂回して生きてる

誰も彼もが不幸を訴えてる
一体いつになったら満たされるの

例え、
現実的じゃなくても
不可能だと嘲笑われても
誰も不幸にならない「最幸」を
僕は願っているのです
論理的じゃなくても
物理的に不可能でも
最初から出来ないと諦めて
生きていたくないのです

どうして上下をつけるの どうして区別するの
生きてるだけで幸せと どうしてわかりあえないの

何かを失って何かを欲して
何も報われなくても
絶望的な結果しか待っていなくても
バッドエンドなんて嫌なんだ!!
皆で笑って生きていける
そんな未来が欲しい

神様!
ご都合主義と言われても
ハッピーエンドを下さい!
ありふれた言葉でいいから
みんな、「幸せ」でいたいだけなんだ
嬉しい 楽しい 
君が笑うと僕もハッピー
それだけでいいから
それだけでいい筈だろう?

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